肋骨骨折

肋骨は左右12対の骨で構成されており脊椎から両側に湾曲して内臓を取り囲む形で形成されています。
肋骨骨折は、胸部を強くぶつけたりする胸部外傷が多くみられます。原因として、日常生活で家具(机・タンスなど)の角で胸を打ったり、ラグビーや柔道などの激しいスポーツ・
交通事故・高い所からの転落などで胸を強打し複数の肋骨が骨折する場合があります。複数の骨折では胸郭内
(肺など)の損傷により気胸(肺の表面が破れて空気が肺の外に漏れる)や血胸(肺や血管などが損傷し胸腔内に血液が溜まる)など命にかかわる場合があるので早急に外科による治療が必要になります。他にも、骨粗鬆症がある高齢者では軽い転倒や身体を捻ったり、風邪などで咳を繰り返すことにより肋骨が骨折し痛みが誘発されます。
肋骨骨折の症状
- 受傷した部位の痛み、圧痛
- 皮下出血
- 呼吸やくしゃみ、咳に伴う痛み
- 腫れ
- 息苦しさや呼吸がしづらいなど
- 身体を反る・捻る、手を挙げるなど身体の動きに伴う痛み
肋骨骨折の検査
診察にて問診、触診を行い痛みの強い場所や症状の程度を確認します。レントゲンにて肋骨骨折の有無や気胸(肺の損傷)を確認します。しかし、肋骨の前方内側部分は軟骨のためレントゲンでは確認することができないので、必要に応じてCT検査で詳しく検査します。
肋骨骨折の治療
保存療法(当院で可能)
治療として一般的に保存療法を行います。
肋骨骨折の有無にかかわらず、肋骨の痛みが強い場合は、日常生活での安静を基本とし、痛みなどの炎症を抑えるために湿布や内服薬にて経過をみます。また、呼吸や体動により痛みが誘発されるため専用のコルセット(胸に巻くベルト状のバンド)で固定することにより、動きをおさえ痛みの軽減を図ります。
コルセットで固定し、3~4週間安静にすると受傷の程度にもよりますが痛みは徐々に軽減されていきます。→当院で、行うことができる治療法です
治療中の生活についての注意点
①入浴
急性期(受傷直後)は入浴により身体を温めると炎症が強くでるため、身体を拭いたりシャワーを使用し、汗を流す程度にして下さい。急性期が過ぎ症状の経過をみて入浴を行うようにしましょう。
入浴は血行を良くし回復を促すことにつながります。
②身体を動かす
身体を反る・捻るなどの痛みがでる動作は控えましょう。日常生活での安静を基本としますが、症状の程度をみながら痛みのでない範囲で身体を動かし栄養のバランスがとれた食生活を送りながら十分な睡眠をとることで回復を図ります。
当院での受診の流れ
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- STEP1 診察
- 症状の程度、随伴症状に基づいて問診を行います。上記をふまえ、必要な検査を判断します。
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- STEP2 検査
- レントゲンやMRI検査を行い骨の形状・骨の間隔のチェックを行います。
※医師の指示にて、当日のMRI検査も可能
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- STEP3 治療
- 診断疾患に応じて治療を行います。手術が必要な場合は、専門の医療機関へ紹介させて頂きます。(現在リハビリは行っておりません)
当院では、整形外科(休診中)を受診して頂きます。必要があれば当日レントゲン、CT検査を行います。
整形外科医により、症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行います。
当院では、保存療法があります。肋骨骨折の有無にかかわらず保存療法としてはまず安静を第一とし湿布や非ステロイド性消炎鎮痛剤の内服、専用のコルセット(胸に巻くベルト状のバンド)で固定し、症状の回復の経過をみていきます。
これらにより、症状の改善が難しくさらに日常生活への支障がきたす場合は専門の医療機関に紹介させていただきます。
胸部外傷は、肋骨骨折だけでなく肺や血管を損傷している場合があり、早期に専門の治療を必要とする場合があります。自己判断せずに医療機関を受診するようにしましょう。