指捻挫について
指捻挫の原因

関節には、骨同士をつなぐ靱帯や関節を包む関節包(関節を包む袋状の膜)があります。これらに、関節の可動域を超えて何らかの強い外力が加わり靭帯や関節包を損傷し痛みや脹れなどの症状を引き起こすのが捻挫です。スポーツや転倒などで突き指による靱帯損傷や亜脱臼(関節が外れかかる状態)、脱臼、骨折など様々な原因により引き起こされます。
捻挫は、関節のある部位ならどこでも起こる可能性があり、一般的だと指や手関節、足首やぎっくり腰があります。なかでも指は日常生活において最も使うことが多く捻挫が起きやすい部位です。
指捻挫の症状
指捻挫の種類としては、靱帯の一部分が断裂された状態(部分断裂)や完全に断裂した状態(完全断裂)に分けられます。
<靱帯の一部が断裂された場合>
痛み、腫れ、内出血等を認めるが関節を動かすことは可能。
<完全に断裂した場合>
痛み、腫れ、内出血、不安定性が強く関節を動かすことが不可能なことも多くみられる。
指捻挫になりやすい人
- 野球、バスケットボールなどの球技スポーツ
- 手を使うことの多い職業
- 柔道や空手などのコンタクトスポーツやスキーなど
- 日常生活での手作業
- 転倒など
指捻挫の検査
診察にて、指の痛みの場所や動き、強い圧痛(押すと痛む)や腫れ、関節の不安定性を確認します。
レントゲン検査では、靭帯や骨に付着している靭帯と一緒に剥がれる剥離骨折の有無を確認します。
指捻挫の治療
応急処置(RICE処置)
スポーツやトレーニングで怪我(損傷)をした場合、医療機関を受診するまでの間に損傷部位の障害を最小限に抑えるために行う方法をRICE処置といいます。
- 1、Rest(安静): 捻挫を起こした直後は、損傷部位の内出血・腫れ・痛みを最小限にすることを目的とし、患部に負担をかけないようにしましょう。
- 2、Ice(冷却):アイシングは内出血の拡大を防ぐ効果がありますが、冷やし過ぎると筋肉が固くなってしまい、回復に影響を与える可能性があるため、15分~20分位を目安に行うようにしましょう。
- 3、Compression(圧迫):患部の内出血・腫れ・痛みを防ぐことを目的とし、包帯や副木、テーピングによる圧迫固定を行います。
- 4、Elevation(挙上)これ以上、腫れを強くしないために損傷部位を高く挙げるようにしましょう。
RICE処置後はなるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。
症状が落ち着くと楽になるため、医療機関を受診しないことがみられます。しかし、場合によっては捻挫が原因で指が変形したり後遺症が残ることがありますので早期の受診や適切な処置が必要です。
治療は保存的療法と手術療法があります。
保存療法(当院で可能)
保存的療法としては、手指関節の腫れや痛みの症状がある場合は、日常生活でのアイシング(冷やす)や安静を基本とし、痛みや腫れなどの症状を抑えるために湿布や内服薬にて経過をみます。腫れや痛みの症状が強い場合には、シーネ等で約2~3週間固定を行い動きの制限をしながら痛みの軽減を図ります。→当院で、行うことができる治療法です
手術療法(当院では不可)
手術療法としては、保存的療法で効果がみられない場合や関節の痛み・不安定性が強く、指の曲げ伸ばしが出来ない場合は手術が必要となります。→当院では行うことができない治療法です。
当院での受診の流れ
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- STEP1 診察
- 症状の程度、随伴症状に基づいて問診を行います。上記をふまえ、必要な検査を判断します。
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- STEP2 検査
- レントゲンやMRI検査を行い骨の形状・骨の間隔のチェックを行います。
※医師の指示にて、当日のMRI検査も可能
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- STEP3 治療
- 診断疾患に応じて治療を行います。手術が必要な場合は、専門の医療機関へ紹介させて頂きます。(現在リハビリは行っておりません)
当院では、整形外科(休診中)を受診して頂きます。必要があれば当日レントゲン、MRI検査を行います。(MRI検査は基本予約制となりますが、予約の空き状況や医師の指示により当日の検査も可能です)。
整形外科医により、症状の程度、随伴症状に基づいて診察を行います。
当院では、保存療法としてはまず、安静や手の使い過ぎを減らし湿布や非ステロイド性消炎鎮痛剤の服用や痛みが強い場合はシーネ等で固定を行います。
これらにより、症状の改善が難しくさらに日常生活への支障をきたす場合は専門の医療機関に紹介させていただきます。