変形性肘関節症
変形性肘関節症とは

肘の骨には上腕骨、尺骨、橈骨があり、腕尺関節(わんしゃくかんせつ)、腕橈関節(わんとうかんせつ)、近位橈尺関節(きんいとうしゃくかんせつ)という3つの関節を形成しています。肘関節の骨の先端は軟骨に覆われていて、骨にかかる衝撃をやわらげるクッションのような働きをしています。変形性肘関節症はこの軟骨が磨り減り、壊れることで肘関節が変形し不安定になると、炎症が生じて痛み・しびれなどの症状が現れる疾患です。変形性肘関節症には一次性のものと二次性のものがあります。
- 一次性…原因がはっきりせず加齢によるもの
- 二次性…何らかの原因による場合で、スポーツ・重労働での肘関節の使い過ぎや肘関節の外傷により関節内の骨折がきちんと骨が完全に治癒せず、変形治癒、関節炎で軟骨が破壊されるなど
変形性肘関節症の症状
- 運動や作業の後に肘の痛みが出る
- 小指・環指(薬指)のしびれ
- 手の筋肉の萎縮や握力の低下
- ある角度で肘が動かない状態になり、激痛が走る
- 手で物を掴むなどの日常動作が困難になる
- 指が伸ばしにくい、開きにくい
変形性肘関節症の原因
- 加齢(長年の使いすぎによる)
- 外傷(骨折・脱臼などの外傷)
- 重労働(重いものを運ぶなど)
- 激しいスポ-ツ(野球・テニス・柔道などの主に上肢を使うスポ-ツ)
- 先天的な原因
変形性肘関節症の検査
職業歴、スポーツや外傷の有無を問診のうえ、肘関節の動きや手指の状態、手の筋肉の萎縮の有無や痛みの部位を確認します。また、肘部管症候群や慢性関節リウマチ、神経の病気との鑑別が大事になります。
レントゲン検査は肘関節の変形の有無を調べるために行います。
MRI検査は骨棘や遊離体の位置、大きさなどを把握するため必要に応じて行います。
変形性肘関節症の治療
治療として、一般的に保存療法と手術療法に分けられます。
保存療法(当院で可能)
肘の安静を保ち、必要に応じて三角巾や副子で固定します。痛みの軽減には非ステロイド消炎鎮痛薬の内服や湿布、塗布剤を用いて経過をみます。症状に応じてステロイド製剤の関節内注射を行うこともあります。また肘関節の変形や不安定性がみられる場合は肘固定装具の着用がすすめられます。
手術療法(当院は不可)
保存療法を行っても効果がなく変形や痛みが増強し、運動機能障害(可動域の制限)の進行により日常生活の質の低下がみられ支障を来たす場合には手術も検討されます。
当院での受診の流れ
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- STEP1 診察
- 症状の程度、随伴症状に基づいて問診を行います。上記をふまえ、必要な検査を判断します。
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- STEP2 検査
- レントゲンやMRI検査を行い骨の形状・骨の間隔のチェックを行います。
※医師の指示にて、当日のMRI検査も可能
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- STEP3 治療
- 診断疾患に応じて治療を行います。手術が必要な場合は、専門の医療機関へ紹介させて頂きます。(現在リハビリは行っておりません)
当院では、整形外科(休診中)を受診して頂きます。必要があれば当日レントゲン、MRI検査を行います(MRI検査は基本予約制になりなすが、予約の空き状況や緊急性の程度により当日の検査も可能です)。整形外科医より、症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行います。
薬物療法としては、診察により痛みやしびれなどの神経症状の程度を診てビタミン剤、非ステロイド性消炎鎮痛剤や血流促進剤の処方を行います。
これらにより症状の改善が難しくさらに運動機能障害が進行する場合には専門の医療機関に紹介させて頂きます。