骨粗鬆症の症状や検査について|健診会 メディカルコラム

骨粗鬆症について

骨粗鬆症の原因

骨は常に骨吸収(骨を壊す)と、骨形成(骨を作る)が繰り返されています。
骨粗鬆症とは、骨吸収と骨形成のバランスが崩れることで骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。その結果、わずかな衝撃でも骨折を起こしやすくなります。
骨粗鬆症は、原因によって大きく2つのタイプに分けられます。

原発性骨粗鬆症

特定の原因がなく、加齢や更年期・閉経にともなって引き起こされる骨粗鬆症です。
更年期・閉経後の女性に多く、女性ホルモンの低下や過剰なダイエット・偏食などで栄養を吸収する力が衰え、骨の強度が下がる原因にもなります。男性でも、生活習慣の乱れによる運動不足や栄養バランスの偏り・ホルモンバランスの異常・加齢により骨粗鬆症になる可能性があります。

続発性骨粗鬆症

特定の病気や薬・栄養障害が原因となって骨の強度が低下する骨粗鬆症です。原因となる病気としては、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患や関節リウマチのほか、動脈硬化やCKD(慢性腎臓病)・COPD(慢性閉塞性肺疾患)・糖尿病などがあります。また、薬の副作用による骨粗鬆症では、ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)やワーファリンなどが原因としてあげられます。

骨粗鬆症の症状

骨粗鬆症の症状

骨粗鬆症は自覚症状が乏しい病気です。腰や背中に重い感じがある・身長が縮むといった症状は徐々に起こるためになかなか病気であると気がつきません。骨粗鬆症によりもろくなった骨は、体の重みや軽衝撃で潰れてしまうので、気がついたときには症状がかなり進行していたということも少なくありません。また、このような状態になっても痛みを伴わない場合もありますので、日頃からチェックが必要になります。

骨粗鬆症になりやすい人

  • 青魚、乳製品、大豆食品をあまり食べない方。
  • タバコを15本/日以上吸う方。
  • 普段、家でじっとしている事が多い方。
  • 筋力が弱くなった気がする方。
  • 女性は閉経後、男性は70歳以上の方。
  • お酒を多く飲む方。

骨粗鬆症の検査

診察では、医師からの問診により患者様の病歴や閉経の時期・生活習慣(食事・運動など)をもとに治療方針を決めさせてもらいます。また、骨量(骨密度)の検査を行い骨粗鬆症の進行度について調べます。

骨粗鬆症の治療

治療は、運動や食事の内容など生活習慣の指導と骨粗鬆症が進んでいる方には薬物療法を行います。

生活習慣の改善として

1.食事…カルシウムの吸収を助けるためにビタミンDや骨形成を助けるビタミンK、さらにたんぱく質・ミネラルなど必要な栄養素を摂取する。
2.禁煙・禁酒…喫煙は胃腸の働きを阻害しカルシウムの吸収を妨げます。お酒は利尿作用があるため、お酒を飲みすぎるとカルシウムが吸収されないまま排出されます。
3.適度な運動…太陽が出ている日にウオーキングなどの運動が望ましく骨に適度な刺激が加わり骨を作る細胞が活発になります。


薬物治療として

骨粗鬆症の初期であれば食事や運動などの生活習慣の改善により骨粗鬆症の悪化を防げます。骨密度の低下が進むと患者様の状態にあった薬の服用や注射を行います。また、一時的に骨密度の値が改善されても病気が治ったわけではないので、薬物療法と生活習慣の改善(食事・運動など)を並行して行い、骨の強度を高めていくことが重要になります。

骨粗鬆症お困りの方は、かかりつけの先生にご相談ください。

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