頭部打撲
頭部打撲の原因の多くは、日常生活やスポーツの中で、歩行中や階段での転倒・転落、運動中の激しい接触や交通事故などで頭を強く打ってしまう事により起こります。頭部打撲には、たんこぶ(皮下血腫)から頭蓋骨骨折、硬膜下出血、硬膜外血腫、脳挫傷などがあり頭の打ち方によって対処方法が大きく変わってきます。特に、頭の打った場所や強さで頭蓋内の出血が脳を圧迫したり、血腫をつくり手足の麻痺や言葉の障害(後遺症)を引き起こします。場合によっては死に至る事があるため早めの対処が必要となります。
頭部打撲の症状(大人・子供・老人)
軽度な頭部打撲
(大人)…たんこぶ(皮下血腫)など1~2週間で腫れや痛みが徐々に改善されてきます。
(子供)…たんこぶ(皮下血種)をつくってしまうことがあります。他にも、頭蓋内出血がなくても、症状が出にくい場合や反対に脳しんとう(脳自体の損傷はないが一時的な意識消失、意識障害を伴うもの)で吐気や嘔吐(食べた物を吐き出す)・発熱・鼻血がみられる事がある為2~3日は注意が必要です。
重度な頭部打撲(大人・子供・老人)…脳を保護している頭蓋骨が折れてしまう頭蓋骨骨折や硬膜外血腫、脳挫傷の疑いが多くあります。特に、頭蓋骨が内側に凹む程(陥没)の骨折は脳内に出血している可能性があり、嘔吐(食べた物を吐き出す)・意識消失・意識障害・けいれん・耳や鼻の穴から血の混じった体液が出る等の症状があり緊急にて救急処置を行わなくてはなりません。
特に高齢者の方は、受傷から半年後の間に頭の中に血液が溜まり慢性硬膜下血腫を併発することもあるので、頭痛・ふらつき・認知症様症状・吐き気・嘔吐などの症状がみられ改善せず悪化するようなら医療機関を受診してください。
※頭部打撲の症状は、頭を打った直後に出るものと、数時間から数日後、数ヶ月後に出るものがあります。頭を打った6時間以内、あるいは時間がたつにつれて意識障害や手足に不自然な動きが現れた場合は脳の損傷が伴っている可能性があるので救急処置の必要があります。頭を打った24時間~72時間以内は安静に過ごし、いつもと変わりないか注意し無症状であれば経過観察を行います。
頭部打撲の検査
診察にて頭部の痛みの場所や症状、どのような動きで頭を打ったかなど問診を行い、脳に損傷がないか確認します。頭部の傷や症状の程度により、脳に損傷がないか脳のCT検査にて診断を行います。
頭部打撲の治療
頭部打撲後、めまいや頭痛、吐き気などの症状があった場合、CT検査を行い脳の損傷の有無を確認します。
保存療法
頭部の腫れや打撲によるズキズキした痛みの症状がある場合は、日常生活での安静を基本とします。また、24時間~72時間は腫れや痛みが悪化しやすいので症状を抑えるために、氷のうや保冷剤で冷やし必要に応じて内服薬にて経過をみます。
外科的療法
頭痛・嘔吐・手足の麻痺・意識障害(意識がもうろう)などの症状がある場合は、専門医による検査や治療、外科的処置が必要になります。
※頭部打撲で上記の症状がある場合は自宅やその場から救急搬送を依頼してください。
頭部打撲にお困りの方は、かかりつけの先生にご相談ください。