頚椎症性神経根症の治療や検査|健診会 メディカルコラム

頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症の原因

頚椎症性神経根症

頚の骨は上半身を支える背骨を構成している椎骨のなかで、頚椎と呼ばれる7つの椎骨により成り立ちます。椎骨と椎骨の間には、椎間板という衝撃を吸収する役割をもつ軟骨があります。加齢を伴う椎間板の変性により膨隆・突出、黄色靭帯の肥厚がみられ痛みなどの症状が出現した状態の総称を頚椎症といいます。
頚椎には、他の椎体にない特有の関節(ルシュカ関節)があります。椎間板の変性に伴い、前方の特有の関節(ルシュカ関節)の変性や椎体後側方の骨棘により、後方からは椎間関節の肥厚により椎間孔の狭窄を生じ脊髄から分かれて上肢へゆく神経根が圧迫された状態です。

頚椎症性神経根症をさらに悪化させる原因

  • 重い荷物を持つこと
  • 寝違い
  • 30分以上同じ姿勢をとる
  • 首を過度に倒したり回したりする
  • 頚椎の過伸展
  • うつぶせの姿勢で寝る
  • 頚椎に負担のかかる姿勢をとる

頚椎症性神経根症の症状

神経根の症状として多くは、片側にみられます。

  • 首、肩、手指にかけての痛みやしびれ
  • 上肢の脱力感、筋力低下、筋委縮
  • 手指の知覚障害

頚椎症性神経根症の好発年齢

中年から高齢者の方に多くみられます。

頚椎症性神経根症の検査

診察にて問診後、上肢の感覚異常の有無や筋力低下のチェック(神経学的検査)、スパーリングテストを行います。画像診断として、頚椎のレントゲン撮影(前後像・側面像・斜位像)を行います。骨の形・骨と骨との間の間隔チェックをします。椎間板は軟骨組織なのでレントゲンには写らないため脊髄や神経根機能の異常がある場合には、MRI(磁気共鳴画像)検査が有効です。

頚椎症性神経根症の治療

治療として、一般的に保存療法と手術療法に分けられます。

保存療法

急性期の痛みには、頚椎カラーを装着し安静を保つことを基本とし湿布や消炎鎮痛剤の内服にて経過をみていきます。


神経ブロック注射

上記にて症状の改善が見られない時には、神経に直接注射することにより痛みを抑えることができる神経ブロック注射を行います。


手術療法

手術療法は、保存療法を行っても効果がなく痛みを繰り返したり痛みが増している、または運動機能障害の進行により上肢のしびれや痛みだけでなく麻痺の出現により生活の質の低下がみられる場合に行われます。しかし、手術を受ける割合としてはかなり少ないです。

頚椎症性神経根症の痛みにお困りの方は、かかりつけの先生にご相談ください。

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