人間ドックの血液一般検査のご説明。健診会メディカルコラム

血液検査項目一覧

血液一般検査項目

白血球(WBC)

白血球は体内に侵入してきたウイルスや細菌などの異物を撃退します。高値の場合は、体内のどこかで 細菌感染や炎症、病気があることを示しています。また、外傷や運動直後・過度のストレス時にも高くなります。

*白血球の判定基準値*

基準値 3100~8400

(単位 ㎕)

異常なし 要経過観察 要治療
3100~8400 8500~9900 3000以下
10000以上

(単位 ㎕)

この検査で疑われる病気

高値:細菌感染 虫垂炎 胆のう炎 膵炎 心筋梗塞 がん 白血病 など
低値:骨髄異形成症候群 ウイルス感染症 再生不良性貧血 膠原病 薬剤アレルギーなど

赤血球(RBC)

酸素を肺から全身の組織に運び、二酸化炭素を持ち去る「ガス交換」の働きを行います。
赤血球が減少すると、酸素運搬機能が低下し貧血となります。

この検査で疑われる病気

高値:多血症など
低値:貧血(鉄欠乏性貧血・悪性貧血・溶血性貧血・再生不良性貧血)など

血色素(Hb・ヘモグロビン)

赤血球に含まれるタンパク質と鉄から作られたもので、肺より酸素を全身に供給し二酸化炭素を肺に運ぶ働きを行います。
消化管からの出血や婦人科疾患、鉄分不足や血液疾患が原因で血色素が不足すると赤血球数が基準値内でも鉄欠乏性貧血の可能性が高くなります。

*血色素量(ヘモグロビン)の判定基準値*

基準値 男性:13.1~16.3
女性:12.1~14.5

(単位 g/dl)

  異常なし 要経過観察 要治療
男性 13.1~16.3 12.1~13.0 12.0以下 
16.4~18.0 18.1以上
女性 12.1~14.5 11.1~12.0 11.0以下
14.6~16.0 16.1以上

(単位 g/dl)

この検査で疑われる病気

高値:多血症
低値:鉄欠乏性貧血 慢性出血性貧血 など

ヘマトクリット(Ht)

一定量の血液中に含まれる赤血球の容積の割合を示します。
血液のほとんどは赤血球で占められるため、低値だと貧血が疑われます。

この検査で疑われる病気

高値:多血症 脱水症 赤血球増加症など
低値:貧血など

血小板(PLT)

血液を固めて出血を止める働きがある血小板の数が減ると出血しやすくなる、出血が止まりにくい状態になります。
また、血小板が増えすぎると血栓ができやすくなり血管が詰まりやすくなります。

*血小板の判定基準値*

基準値 14.5~32.9

単位 104/㎕

異常なし 要経過観察 要治療
14.5~32.9 10.0~14.4 9.9以下
33.0~39.9 40.0以上

(単位 104/㎕)

この検査で疑われる病気

高値:鉄欠乏性貧血 血小板血症 慢性骨髄性白血病など
低値:特発性血小板減少性紫斑病 急性白血病 肝硬変 再生不良性貧血など
鼻血や歯茎からの出血が止まりにくかったり、さらに低値になると脳出血を起こす危険性があります。

MCV/MCH/MCHC

赤血球の大きさや濃さを調べ、その機能や能力を推測する検査です。貧血の種類を判別するために 使われます。

MCV:赤血球の1個の体積を調べます。
MCH:1個の赤血球中に含まれる血色素量(ヘモグロビン)を調べます。
MCHC:1個の赤血球中に含まれる血色素(ヘモグロビン)濃度を調べます。

この検査で疑われる病気

MCV高値・MCHC正常
ビタミン欠乏性貧血 葉酸欠乏性貧血 過剰飲酒

MCV正常・MCHC正常でも貧血の場合
再生不良性貧血 腎性貧血 溶血性貧血 急性出血

MCV低値・MCHC低値
鉄欠乏性貧血 慢性炎症 鉄芽球性貧血など

赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットが低値を示した場合に貧血の種類を分類するための検査です。
年齢によっても変化するため、どれか一つだけが異常値を示しても問題ありません。

白血球像

白血球はいくつかの種類に分かれ、働きも異なります。その種類別の比率を調べることで、病気の診断をする検査です。各々の増減で感染症や炎症など疑われる疾患も異なります。

好中球

好中球は核の形によって杆状好中球と分葉好中球に分類されます。感染症や炎症などで増加します。

この検査で疑われる病気

高値:急性細菌感染症など
低値:ウイルス性疾患 急性白血病など

リンパ球

免疫機能に関わっています。ウイルス感染などで増加します。

この検査で疑われる病気

高値:ウイルス性感染症など
低値:急性感染症の初期 全身性エリテマトーデス 悪性リンパ腫など

単球

免疫系・炎症系に作用します。結核など感染症で増加します。

この検査で疑われる病気

高値:発疹性ウイルス性感染症 慢性肝炎など

好酸球

アレルギー反応に関わっています。花粉症や喘息などで増加します。

この検査で疑われる病気

高値:アレルギー性疾患など

好塩基球

アレルギー反応に関わっています

この検査で疑われる病気

高値:アレルギー性疾患 甲状腺機能低下 慢性骨髄性白血病など

この検査で異常値が疑われた場合

検査を受けた状態にもよりますが、経過観察でよいのかまたは再検査が必要なのかを判断するために一度内科を受診してください。その結果、必要によって専門病院をご紹介させていただく場合があります。

当院外来の流れ

当院では、内科を受診して頂きます。内科医より、現在の症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行います。
その上で、内科医の指示にて疑われる疾患に対しての血液検査、画像検査を行っていきます。
日常生活の改善や投薬による治療、定期的な経過観察を行います。その結果、数値が安定せずに専門医の診断が必要な場合、更なる治療が必要な場合など当院で治療や経過観察を行うことが出来ない場合は専門の医療機関に紹介させていただきます

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