脂質異常について
血液中の脂質、具体的にはコレステロールやトリグリセライド(中性脂肪)が多すぎることを脂質異常といいます。
血液中にある4種類の脂質のうち、多過ぎると問題なのはコレステロールと中性脂肪で脂質異常には、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症の3タイプがあります。
脂質異常の原因
脂質異常症の原因は、さまざまな遺伝子要素や体質、食生活、運動不足、年齢を重ねることによる基礎代謝の低下、肥満などが多いですが一番の原因は高カロリー・高脂肪の食事や過食です。
男性は45歳以上、女性は55歳以上(閉経後)に多くみられます。
様々な原因により血液中のコレステロールや中性脂肪が異常に増えてしまっても症状には現れず、そのため異常値を指摘されてもそのまま放置してしまう方が少なくありません。
しかし、コレステロールや中性脂肪が血液中に蓄積されると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞につながります。
普段から会社の定期健康診断や人間ドックで現時点での血液検査の数値がどの程度なのかを日々チェックすることをお勧めします。
脂質異常症の診断基準について(空腹時採血)
高LDLコレステロール血症 | 140mg/㎗以上 |
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低HDLコレステロール血症 | 40mg/㎗未満 |
高トリグリセライド血症 | 150mg/㎗以上 |
脂質異常症は上記3つのうち1つでも当てはまると診断されます。
※動脈硬化とは??
動脈硬化とは心臓から体の各部分へ血液を運ぶ血管である動脈が硬くなります。
動脈の内側にコレステロールが蓄積されプラークと呼ばれる塊ができます。この塊により血管が盛り上がって狭くなり、それとともに血管が硬くなり血液が流れにくく、血管がつまりやすくなるのが問題です。
動脈硬化はさまざまな危険因子が重なって起こります。
高血圧症が動脈硬化の危険因子の一つだという事は知られていますが、脂質異常症も重大な危険因子です。さらに、狭心症や心筋梗塞などを含めた心臓病や脳出血や脳梗塞などの脳卒中は動脈硬化が原因となって起こる血管の病気です。
脂質異常症の治療
- 禁煙する
- 食生活を見直す
- 運動療法を見直す
- 適正体重に近づけると同時に内臓脂肪を減らす
- 適正なエネルギー摂取量を見直して肥満を解消すること
- ストレスや疲労をためないようにする
脂質異常症の方の食事療法
1日に必要なエネルギーの目安
標準体重=【身長(m)×身長(m)】×22
1日の適正エネルギー量(kcal )=標準体重(kg)×25~30kcal
食事療法としては、肉類のおかずより魚介類や大豆製品のおかずをとるようにし、コレステロールを多く含む食品には注意し、300mg/以下としてください。食物繊維は毎食しっかり摂取するようにし、アルコールはビール中瓶1本/日、焼酎なら100ml/日程度に控え甘いものは控えてください。
脂肪の多い揚げ物や動物性油も控えるようにしましょう。食物繊維の多い食品(海藻類・大豆食品)は脂肪の吸収を抑えコレステロール値を下げる働きがあるため、摂取するようにしましょう。
運動療法では、散歩・水泳(水中歩行)・軽いジョギングなどの有酸素運動は15分以上行うようにし日常生活でも身体を動かすようこころがけるようにしましょう。現在治療中の方は、主治医と相談し無理をしないようにしていきましょう。
脂質異常の治療の基本は、生活習慣の改善です。食事や運動以外にも改善すべき生活習慣はあり、まずは喫煙です。喫煙は動脈硬化だけでなく、がん、呼吸器疾患などの可能性もあるため控えるようにしましょう。
過剰なストレスや疲労感はHDLコレステロールを減少させるといわれており、適度に解消するようにしましょう。
食事療法や運動療法を行っても効果がみられない場合は、薬物療法での治療が必要になってきます。
既往に高血圧や糖尿病、家族性の高コレステロール血症などがある場合には動脈硬化のリスクが高い為、薬物療法が重要となります。
薬物療法は、中性脂肪やコレステロールの値をコントロールするための治療です。値が改善したからといって自己判断で内服を中断しないようにしましょう。
また、薬物療法が始まったからといって、食事療法、運動療法、体重管理、禁煙をやめていいわけではありません。
むしろ薬物療法を始めたら、今まで以上に生活習慣の見直しが必要になります。
当院での受診の流れ
当院では、内科を受診して頂きます。内科医より、症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行います。
その上で内科医の指示の下、血液検査や症状や必要に応じて頚部のMRA 検査、PWV検査(脈波検査)などの精密検査を行っていきます。これらの治療により数値が安定しない場合や専門医の診断が必要な場合、更なる治療が必要な場合は専門の医療機関に紹介させていただきます。