腎機能検査
腎機能検査
BUN
蛋白質が分解されるときにできる老廃物の一種でクレアチニンと同様、尿と一緒に排泄されます。腎機能が低下すると血液中の尿素窒素をうまく濾過することが出来ないため、血液中の尿素窒素の量が多くなります。
*BUNの判定基準値*
基準値 | 7~23 |
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(単位 ㎎/dl)
この検査で疑われる病気
高値:腎機能障害 消化管出血 脱水症など
低値:栄養不足 アルコール性肝炎 尿崩症など
クレアチニン
クレアチニンは老廃物の一種で筋肉にあるクレアチニンという物質から産生されるもので腎臓が正常に働いていればほとんどが尿中に排泄されます。腎機能が低下するとともにクレアチ二ンは増加しさらに悪化すると透析を導入する場合もあります。
*クレアチニンの判定基準値*
基準値 | 男性:1.00以下 |
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女性:0.70以下 |
異常なし | 要経過観察 | 要治療 | |
男性 | 1.00以下 | 1.01~1.29 | 1.30以上 |
女性 | 0.70以下 | 0.71~0.99 | 1.00以上 |
この検査で疑われる病気
高値:糸球体腎炎 腎機能障害など
低値:筋ジストロフィーなど
e‐GFR
腎臓の働きを調べ老廃物を尿に排泄する能力を調べる検査です。
クレアチニン値と年齢、性別から推算します。
慢性腎臓病(CKD)の診断、重症度判定に用いられます。
*e‐GFRの判定基準値*
基準値 | 60.0以上 |
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異常なし | 要経過観察 | 要治療 |
60.0以上 | 45.0~59.9 | 44.9以下 |
この検査で疑われる病気
低値:慢性腎臓病(CKD)
尿酸
尿酸は、細胞の核の成分であるプリン体が分解されてできる老廃物で、通常は尿中に排泄されますが腎機能の低下やプリン体を多く含む食品やアルコールを過剰摂取すると血液中に増加します。値が高い状態が続くと尿酸の結晶が足の親指の付け根にたまり赤く腫れ激痛を伴う痛風発作を引き起こします。
*尿酸の判定基準値*
基準値 | 2.1~7.0 |
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異常なし | 要経過観察 | 要治療 |
2.1~7.0 | 2.0以下 | 9.0以上 |
7.1~8.9 |
この検査で疑われる病気
高値:高尿酸血症(痛風) 腎不全など
Na(ナトリウム)/Cl(クロール)/K(カリウム)/Ca(カルシウム)
電解質は、水に溶けて電気を通すミネラルのイオンのことで体内の水分量やpHを一定に保ったり、神経の伝達や心臓、筋肉を動かすことなどに深く関わっています。電解質検査は、血中のイオン濃度を測定し、バランスの崩れを調べて体内のバランス異常を調べます。また、内服薬や採血時の状態(脱水など)により変化するため、BUNやクレアチニンと合わせて総合的な判断が必要です。
*Na(ナトリウム)/Cl(クロール)/K(カリウム)/Ca(カルシウム)の判定基準値*
基準値 | Na(ナトリウム):137~147mEq/L |
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Cl(クロール):98~108mEq/L | |
K(カリウム):3.5~5.0mEq/L | |
Ca(カルシウム):8.4~10.4㎎/dl |
この検査で疑われる病気
Na(ナトリウム)
高値:尿崩症 脱水症など
低値:ネフローゼ症候群 腎不全 心不全など
Cl(クロール)
高値:脱水症 下痢など
低値:嘔吐など
K(カリウム)
高値:腎不全 糖尿病など
低値:嘔吐・下痢など
Ca(カルシウム)
高値:脱水症 副甲状腺機能亢進症など
低値:ビタミンD欠乏症 腎不全など
この検査で異常値が疑われた場合
検査を受けた状態にもよりますが経過観察でよいのかまたは再検査が必要なのかを判断するために一度内科を受診してください。生活指導や内服薬について診察させて頂きその結果、必要によって専門病院をご紹介させていただく場合があります。
当院外来の流れ
当院では、内科を受診して頂きます。内科医より、現在の症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行います。
その上で、内科医の指示にて疑われる疾患に対しての血液検査、MRI/CT検査などの精密検査を行っていきます。日常生活の改善や投薬による治療、定期的な経過観察を行います。
その結果、数値が安定せずに専門医の診断が必要な場合、更なる治療が必要な場合など当院で治療や経過観察を行うことが出来ない場合は専門の医療機関に紹介させていただきます。