人間ドックの画像検査のご説明。健診会メディカルコラム

画像検査

胸部レントゲン検査

胸部にエックス線を照射して、肺や心臓・大動脈に異常な影がないかを調べる検査です。

基準値 異常なし

この検査で疑われる病気

呼吸器:肺結核 肺炎 肺がん 肺線維症など
循環器:心臓肥大 心不全 大動脈硬化症など

胸部レントゲン検査でよく見られる各所見

石灰化陰影
過去の肺炎などが治った場所に、カルシウム(石灰)が沈着した状態です。
心拡大
胸部の横幅に対して、心臓の横幅の割合が50%を超えている状態です。年齢や体型にもよりますが、心不全の兆候である場合もあります。
胸部異常陰影(円形陰影・陳旧性変化)
4cm未満の丸い陰影。肺結核、肺腫瘍などの場合にみられます。
横隔膜高位・拳上
胸部と腹部を隔てる横隔膜が通常よりも高い位置にあります。
生まれつき、結腸ガスの増加、肝臓腫瘍などの場合に起こります。
気胸(ききょう)
肺胞という袋状の組織が融合した大きな袋が破れる病気です。ブラという空気の袋の破裂などが原因で起こります。
胸水
胸部に通常存在しない水がたまった状態です。心不全・腎不全・胸膜炎などの場合にみられます。
胸膜石灰化影
肺を包む胸膜にカルシウムが沈着するものです。肺結核・塵肺症(じんぱいしょう)などの場合に見られます。
胸膜癒着(きょうまくゆちゃく)

胸を包む胸膜に炎症が起こり周囲に癒着した痕です。過去の胸膜炎・肺感染症などが考えられます。
結節影(けっせつえい)
2~10mm未満の丸い陰影。過去の肺結核・肺腫瘍などの場合に見られます。
縦隔(じゅうかく)拡大
左右の肺の間を縦隔といい、この幅が広くなっている所見です。腫瘍・食道拡張などでみられます。
縦隔リンパ節腫大
左右の肺の間にある縦隔のリンパ節が腫れています。悪性リンパ腫やサルコイドーシスなどで起こります。
浸潤影(しんじゅんえい)
肺胞内への細胞成分や液体成分の貯留によって起こります。肺炎・肺感染症などが考えられます。
大動脈拡張像
大動脈の径が拡大しています。大動脈弁閉鎖不全・大動脈瘤などの場合に見られます。
肺気腫
正常な肺の袋状構造が拡張ならびに破壊される病気のこと。
肺血管影異常
肺内の血管が通常の太さと異なるもの。太くなっている場合は心臓機能の低下、見えにくい場合は肺気腫などが考えられます。

検査の注意

X線は放射線の一種ですが、一回の被ばく量は極めて低く、極端な回数を重ねない限り人体への悪影響とは考えられません。ただし、妊娠中または妊娠の可能性がある人は、胎児への影響が心配されますので申し出てください。

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