逆流性食道炎の検査と治療について|健診会滝野川メディカルクリニック

逆流性食道炎

逆流性食道炎の検査と治療について

胃には胃酸や胃液と混ざり合った食べ物が食道内へ逆流しないように一定の圧力がかかっています。しかし、食道にはこの防御機能がないため何らかの原因で強い酸性の胃液や胃で消化された食べ物が食道に逆流しその時間が長くなると、ただれ(ビラン)や潰瘍などの炎症をつくり、胸やけや呑酸(どんさん)などの不快な症状を起こす病気を逆流性食道炎といいます。中高年や特に高齢者に多くみられます。

※呑酸(どんさん)とは…酸っぱい液体が口まで上がってきてゲップが出る症状です。

逆流性食道炎の原因

食道(長さ22~25cm太さ1~2cmの管状の消化管)から胃の入り口にあたる吻門部には胃から食道への逆流を防ぐ下部食道括約筋があります。食道は胃液に対する抵抗力が弱いため胃液が食道に逆流すると炎症を起こすことがあります。この下部食道括約筋が以下の原因によって弱くなり加えて胃酸が増えすぎると逆流性食道炎が起こります。

食事の内容

脂肪分の摂り過ぎや食べ過ぎは胃酸を増やし胃液の逆流をおこしやすく、十二指腸から分泌されるホルモンの働きで胃が引き伸ばされ下部食道括約筋が緩むと考えられています。またタンパク質の多い食事は消化に時間がかかり胃液の逆流が起こりやすくなります。胃液は食べ物を消化する為に強い酸性の胃酸や消化酵素を含んでおり、強い刺激性があります。

加齢

年を重ねると、下部食道括約筋の働きが悪くなります。食道の蠕動運動、唾液の量なども少なくなり逆流した胃液を胃に戻すことができなくなります。

腹圧

便秘によってお腹が張っていたり背中が曲がっている、妊婦さんや早食いの方等は腹圧を上昇させ胃の内圧が高くなり胃液の逆流が起こりやすくなります。

肥満

肥満の人は逆流性食道炎の1つである、食道裂孔ヘルニアになりやすく、腹圧があがることで逆流しやすくなります。

投薬

喘息や高血圧、心臓の病気で使用する薬の中には下部食道括約筋を緩める作用をもつものがあります。

※胃液や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因の一つであるピロリ菌は、以前は除菌すると逆流性食道炎が増えるという説がありました。しかし最近ではピロリ菌の除菌によって逆流性食道炎が起こったとしても一時的なものであり多くは軽症ですので除菌治療が勧められています。

逆流性食道炎の症状

胸やけ

胃酸や胃の内容物が食道に逆流すると胸のあたりに焼けるような不快感があります。特に空腹時や夜間の胸やけが特徴的です。

呑酸(どんさん)

酸っぱい液体が口まで上がってきて、げっぷがでるのが呑酸です。

胸痛

胸がしめつけられるような狭心症に似た痛みを感じることがあります。

食道の粘膜を通して逆流した胃液が、喉や気管支の神経を刺激するために咳や喘息の症状を起こすことがあります。

喉の違和感

逆流した胃液で、喉に炎症が起こり痛みや違和感、ひどくなると食べ物が飲み込みづらくなったり声が枯れたりします。

睡眠が浅い

仰向けに寝ると胃の上部と頭の高さが同じくらいになるため、胃酸が逆流しやすい状態になり寝つきが悪くなります。

逆流性食道炎の検査

問診

症状から逆流性食道炎を診断し胃酸の分泌を抑える薬を内服処方し、食道の炎症と自覚症状を消失させ治療効果をみます。

内視鏡検査

胃カメラを用いてモニターで食道の粘膜の状態を確認する検査です。ビランや潰瘍の状態によって重症の程度がわかります。また、悪性腫瘍や他の病気の区別をつけるために病変部分の組織をとって病理検査を行います。

PPIテスト

内視鏡検査が行えない、胸やけがあっても内視鏡で異常がみられない方に行われる診断方法です。この検査で胸やけなどの症状が改善されれば逆流性食道炎や非びらん性食道逆流症の可能性が高いと診断されます。

     

逆流性食道炎の治療とは

生活習慣の改善

胃酸の逆流をおこしやすい食べ物を減らす

揚げ物などの脂肪分、タンパク質の多い食事、チョコレートなどの甘いもの・柑橘類を摂り過ぎないようにし香辛料やアルコール、カフェイン、炭酸飲料を減らしていくようにしましょう。

食事の摂り方

食後は胃酸が最も多く分泌されます。食後すぐに横になると逆流が起こりやすくなるため2~3時間は横にならないようにしましょう。また、暴飲暴食や早食いなどもやめましょう。

肥満

食生活の改善、適度な運動を行い肥満解消に努めましょう。

姿勢に注意する

日中は前かがみの姿勢を避けて、寝る時には頭が10~20cm程度高くして寝ると逆流が起こりにくくなります。

腹圧をあげないようにする

ベルト・コルセット・ガードル等でお腹を締め付けないようにし重いものを持たない、排便時は力まないなど注意していきましょう。

禁煙をする

喫煙は逆流を起こしやすくするといわれています。禁煙に努めましょう。

薬物療法

PPI(プロトンポンプ阻害薬)や胃酸分泌抑制剤(H2ブロッカー)などの胃酸の分泌を抑制させる薬や、食道・胃の粘膜を保護する粘膜保護薬、制酸剤など現在の症状から他の疾患なども考慮し投薬を行います。

手術療法

生活習慣の改善や薬物治療で効果がない場合、再発を繰り返すときには腹腔鏡手術を行う
ことがあります。(当院でできない療法です)

逆流性食道炎を放置しているとバレット食道という合併症を起こす可能性があります。こ
のバレット食道が食道癌に進行する例もあり症状がひどいと睡眠障害にもつながり
ます。また狭心症や食道癌と症状が極似しているため判別がとても重要とされています。逆
流性食道炎は一度良くなっても再発しやすい病気のため、症状が無くても食道の炎症が残
っている場合もありますので治療は継続することが大切です。

     

当院での受診の流れ

当院では内科を受診して頂きます。内科医より、症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行います。内科医の指示の下、食事療法、薬物療法を行っていきます。これらの治療により更なる治療が必要な場合は専門の医療機関に紹介させていただきます。

上記のような症状が出たらかかりつけの先生にご相談下さい。
当院では、内科にご相談下さい。

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